日本ではこうしてクレジットカードが生まれました
“会員”と“小売店”と“カード会社”の3つが手を取り合ってサービスを提供しあうという現在のクレジットカードのシステムが世界で最初に出来たのは1950年代に入ってからですが、日本ではそれ以前にすでに“現金を持ち合わせていなくても商品を購入することのできる”“掛売り”というしくみがありました。
当時の“掛売り”は“月賦販売”と言われるもので、1907年にミシンメーカーが自社製品の販売を促進するために採用しはじめたのをきっかけに、その後は一般の家電販売店などが“消費者”と“小売店”という1対1の関係で行われていました。
例えば当時3万円のテレビを“月賦販売”で購入する場合は、テレビだけ先に自分のものとして持ち帰って、後で毎月決まった額を数回に分けて支払うというものでした。
この“掛売り”は現在でも行われていますが、クレジットカードが一般の人々にも浸透した現在では“個人”対“小売店”というケースは姿を消して、 “法人”対“小売店”というものが殆どです。
例えば、Aという会社がBという小売店で頻繁に買い物をしたりする場合、B小売店に提出した申請が通った際にもらう“掛売りの購入証”を見せさえすれば現金を支払わなくても、しかも誰が買いに行っても現金なしで売ってもらえるというものです。
現在のクレジットカードのようにお洒落でもなければ、さほどお得でもないもので、ただAという会社が小額のお金を頻繁に出金するという“経理面での煩雑さ”を軽減しようという意図で取り引きされている場合が殆どです。
また、支払いは翌月一括払いでの振込みが原則で、これが毎月滞りなく行われる必要があるために申請を承諾する前にB小売店は、A社に関する何らかの信用調査のようなものを行う場合もあり、かつて個人に対して行われていたような“月賦販売”ともクレジットカードとも違う独自の流れを形成しています。
日本で初めてクレジットカード会社が設立されたのは1960年で、その後も1965年から1969年にかけて銀行系のカード会社がいくつも設立され、クレジットカードは徐々に広まり始めました。
ただ当時は「企業の管理職以上」という条件がついたりして、その対象は富裕層の人たちだけに限られていました。
ところが1980年代に入って海外旅行ブームが起こる頃から庶民の間にも一気に広まり、ショッピングという目的での利用が一般的となって現在の“カード全盛時代”を迎えたのです。